はじめに
玄関ドア・サッシの防災対策が必要な理由
玄関ドア
地震発生時、建物の揺れや歪みにより玄関ドアが変形し、開閉が困難になるケースがあります。特に避難時にドアが開かないと、居住者の迅速な避難が妨げられるリスクが高まります。そのため、対震性能を備えた玄関ドアへの改修が求められます。
サッシ
窓ガラスは台風や地震時に破損しやすく、その主な原因は以下の通りです。
- 建物の揺れによる窓枠の歪み
- 家具の転倒・衝突による衝撃
一般的なガラスはある程度の揺れには耐えられるものの、大地震発生時には破損リスクが高まります。割れたガラスの破片は鋭利であり、避難時に負傷する危険性があるため、飛散防止性能を備えたガラスの採用が有効な対策となります。
地震に強い玄関ドアの特徴
地震時の安全性を確保するため、以下のような対震仕様の玄関ドアが推奨されます。
1. 対震丁番仕様
丁番に内蔵されたスプリングにより地震の揺れや衝撃を吸収し、扉の歪みを和らげます。また、スプリングが縮むことで引っかかりを減らし、ドアを開けやすくします。
- メリット:標準仕様のドアに取付可能なため、開口部を広く確保できる(対震枠仕様に比べ+10mmの開口確保)
- デメリット:枠の変形が大きい場合、ドアが開いたとしても閉めることができない可能性がある
2. 対震枠仕様
地震時の枠変形に対応できるよう、扉と枠の隙間を広げた設計です。これにより、枠が歪んだ際も扉と枠の干渉を軽減します。
- メリット:枠が大きく変形してもドアの開閉が可能
- デメリット:有効開口幅が狭くなる(標準枠に比べ-10mm)
このような対震性能の高い玄関ドアを採用することで、地震発生時に避難経路を確保し、二次災害のリスクを低減できます。
防災・防犯性能を高めるサッシの特徴
1. 防災安全合わせガラスの採用
防災安全合わせガラスは、ガラスを2枚以上組み合わせ、中間層に特殊フィルムを挟むことで、衝撃に対する耐性を高めています。これにより、地震による家具の衝突や台風時の飛来物によるガラス破損を防ぎます。
2. 飛散防止フィルム・強化ガラスの採用
一般的なガラスは破損時に飛散しやすく、二次災害のリスクが高まります。飛散防止フィルム付きガラスや強化ガラスを採用することで、破損時の被害を最小限に抑えることが可能です。
3. 雨戸・シャッターの設置
台風や強風による飛来物の衝突を防ぐため、雨戸やシャッターの設置も有効な対策です。特に台風の影響を受けやすい地域や高層階の住戸において、安全性向上のために推奨されます。