はじめに
外断熱とは?
外断熱とは、建物の外側に断熱材を取り付けることで、建物全体を断熱材で覆う工法です。内側に断熱材を取り付ける「内断熱」に対して、外断熱は建物の外部から断熱を行います。これにより、夏は外気の暑さを防ぎ、冬は暖房の熱を逃がさず、年間を通じて室内温度が安定し、快適な住環境を実現することができます。
外断熱のメリット
1.耐久性の向上
外断熱では、建物の外壁を断熱材で覆うことにより、構造躯体が外気温の変化や紫外線・風雨・積雪等の影響を直接受けないため、コンクリートの収縮が少なくなり、劣化やひび割れが起こりにくく、躯体の耐久性が向上します。これにより、建物の寿命が延び、将来的なメンテナンス費用の削減にもつながります。
2.省エネ性能の向上
外断熱は、建物全体を断熱材で包み込むため、内外の温度差による熱の移動が少なくなります。冬場は暖かい空気を外に逃がさず、夏場は外の暑い空気を遮断できるため、冷暖房の効率が上がり、エネルギー使用量を削減することができます。結果として、環境負荷の軽減にも寄与するとともに、光熱費の削減につながります。
3.室内環境の向上
外断熱では、内断熱に比べて熱橋(壁や柱など、外部の冷気が内部に伝わる部分)が少ないため、結露が生じにくくなります。これにより、室内のカビやダニの発生を抑えることができるため、快適な住環境を実現することができます。
4.室内環境の向上
内断熱と異なり、外断熱は建物の外部から作業を行うため、住みながらの改修が可能です。また、壁に穴を開けるような工事もなく、大きな音も出ないため、施工期間中の居住者の皆様の生活への影響やストレスは比較的少ないと言えます。
外断熱のデメリット
外断熱には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。まず、初期費用が内断熱に比べて高くなる傾向があります。これは、外壁全体に断熱材を施すため、材料費や工事費がかさむためです。また、建物の外観デザインに影響を与える可能性もあるため、デザイン性を重視する場合は慎重に計画する必要があります。さらに、外断熱を施すことで建物の外壁が厚くなるため、敷地の制約がある場合には施工が難しいケースもあります。
まとめ
外断熱は、マンションの改修工事において非常に効果的な工法です。耐久性の向上、省エネ性能の向上、室内環境の向上など、さまざまなメリットを享受できますが、初期費用やデザイン面における懸念事項もあるため、導入を検討する際はメリットとデメリットをしっかりと把握することが重要です。建物の長期的な維持管理や居住者の皆様の快適な住環境の実現を考えるなら、外断熱改修は非常に有効な選択肢となるでしょう。マンション改修を検討中の皆様が、外断熱の効果や課題をご理解いただき、最適な改修計画を立てる一助となれば幸いです。
外断熱改修をご検討中の方は、豊富な施工実績、適正価格での施工を行うマンション改修専科に是非一度ご相談ください。