はじめに
サッシ交換が必要な理由
マンションで使用されているアルミサッシは、一般的に築25〜30年程度を経過すると、経年劣化によるさまざまな不具合が発生しやすくなります。
主な不具合は、以下の通りです。
・開閉が重くなる・引っかかる
・隙間風や結露が発生しやすくなる
・気密性や遮音性が低下する
・部品の供給終了により修理が困難になる
こうした問題を根本的に改善するのがサッシ交換工事です。
近年では、老朽化対策に加え、断熱性や遮音性などの性能向上もサッシ交換の重要な目的となっています。
サッシ交換の全体工期の目安
マンションのサッシ交換の全体工期目安は以下の通りです。
【全体スケジュール(目安)】
計画・検討期間:6か月〜1年
製作期間:2〜4か月
現場工事期間:
-1住戸あたり:半日~1日程度
-マンション全体:1〜3か月程度
※工期は戸数やサッシの仕様、工法によって変動します。
サッシ交換工事の流れと手順【全8ステップ】
ここからは、サッシ交換工事が計画段階から完了までどのように進むのか、時系列で解説します。
① 管理組合・理事会での検討開始
サッシ交換工事は、管理組合・理事会による検討からスタートします。
主な検討事項は以下の通りです。
・劣化診断・不具合状況の確認
・大規模修繕工事との同時実施の可否検討
・概算予算の把握
・長期修繕計画や修繕積立金との整合確認
この段階では、専門業者や設計コンサルタントによる事前調査を行うことで、「部分的な改修で対応できるのか」「全戸交換が必要なのか」といった方向性を整理できます。
② 居住者説明・合意形成
サッシは共用部と専有部の双方に関係するため、居住者への丁寧な説明と合意形成が欠かせません。
居住者の理解と協力を得るためには、以下のような内容を事前に説明することが重要です。
・サッシ交換が必要となる理由
・工期や作業時間帯
・住戸内作業の有無
・騒音、養生、防犯対策 など
この段階で十分な説明を行うことで、工事期間中のトラブルやクレームの発生を抑えやすくなります。
③施工会社との契約
居住者への説明や合意形成を経て、施工会社との契約を締結します。
契約後は、現地調査やサッシ製作に向けた具体的な準備がスタートします。
④現地調査・採寸(住戸内への立ち入り)
正式発注後、全戸を対象に現地調査と採寸を実施します。
主な調査内容は以下の通りです。
・サッシ寸法の実測
・開口部の納まり確認
・網戸、手すり、シャッターなど付帯設備の確認
※住戸内への立ち入りが必要となるため、事前の周知や日程調整が非常に重要です。
⑤サッシ製作期間(約2〜4か月)
採寸完了後、各住戸に合わせたオーダーメイドのサッシを製作します。
あわせて工事スケジュールの確定や居住者への最終案内などを行います。
⑥サッシ交換工事(住戸別)
サッシの製作が完了すると、いよいよ工事が始まります。
一般的な工事の流れは以下の通りです。
・養生(交換箇所の窓廻り)
・既存サッシの撤去
・新サッシの設置
・防水・シーリング処理
・清掃・動作確認
工事時間は1住戸あたり半日〜1日程度が一般的です。
⑦工事完了・検査
工事完了後は、開閉動作や仕上がり、防水性能などを確認し、不具合があれば是正対応を行います。
⑧アフター対応・保証
工事完了後も安心して使用できるよう、サポート体制や保証内容を事前に確認しておくことが重要です。万が一不具合が発生した場合にも、迅速な対応につながります。
工事期間中の生活への影響は?
サッシ交換工事は住戸内への立ち入りを伴うため、「普段の生活にどの程度影響があるのか」と不安に感じる方も少なくありません。
ここでは、居住者の方からよく寄せられる質問と実際の影響についてご紹介します。
騒音について
既存サッシの撤去や新しいサッシの設置時には、一時的に騒音が発生します。ただし、長期間続くものではなく、作業中の限られた時間帯が中心です。
住戸内への立ち入りについて
住戸内への立ち入りが必要となるのは、主に実測調査時と工事当日の2回です。事前に日程調整を行ったうえで訪問するため、突然作業が行われることはありません。
在宅の必要性について
実測調査および工事当日は、原則として居住者の立ち会いが必要です。ただし、短時間の外出については対応可能な場合もあるため、事前に施工会社へ相談するとよいでしょう。

